あいち2022見てきたぞい

見てまわる体力と鑑賞するだけの精神の余裕があるかは心配でありつつも、3年に1回の芸術祭は見逃したくないと思い、開催前日にフリーパスを買ってあった。本当は会期のはじめのほうに見て回るつもりだったが、体調が微妙で思い通りにはいかなかった。あまり写真は多く取らず鑑賞後のメモも少ないが、感想のようなものをまとめて書いてみる。愛知県美術館VR作品や諸々のパフォーマンスなどは見ていないが、他はだいたい見たはず。

8/26

一宮を一部見る。超ド近所である。

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奈良美智の立体[IC01 奈良美智 Fountain of Life]は水音がよかった。展示内容とは関係ないけど販売されてた犬の絵の缶バッジがかわいかったので買った。

看護専門学校の作品群は悪くはなかった。ベッド横で音声が流れる作品[IC05 小杉大介]はそれなりにおもしろく見た(聞いた?)。スイカの[IC06 西瓜姉妹]はやたらインパクト強い。塩田千春の作品[IC12a 塩田千春]は、この場所ならこうなるよね、という感じ。VR作品[IC11 許家維]について言うと、便器への熱量が異常で、帝国ホテルにでけぇ便器ぶちこむんじゃないよと思った、あと見ているうちに酔って気持ち悪くなって吐き気がした。

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小さい頃に確か1回行って、滑れなくてみじめな思いをした、今は閉鎖されたスケート場。映像作品[IC15 アンネ・イムホフ]自体にはあまり興味は向かず、会場に入って歩き回ること自体にやや感慨のようなものがあった気はする。ここは撮影してよかったのかな。だめだったかもしれぬ。

バリー・マッギー[IC02a、IC02b バリー・マッギー]のよさは正直わからず。

8/27

超ド近所であと1ヶ所見られていなかったところ[IC16 遠藤薫]を見に行く。10年前までは図書館だったところで、小学生くらいの時に行って『ぶらんでぃっしゅ?』などを借りた覚えがある。1階は映像が複数流され、羊の骨などのいろいろなモノが織機の合間合間に置いてある。置いてあるもののリストはあったが正直どこにどれを置いてあるか全部は見つけられなかった。死んだ羊の皮を剥がす映像は私にとっては別に刺激が強いというものではなかった。落下傘を持って風と格闘する映像はなんとなくコンテンポラリーダンスっぽくもあり、いいなと思った。なお、コンテンポラリーダンスのことはよく知らない。

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2階は織物と皮。作品全体として死の気配があってよかった。もしかしたらあいち2022全体のなかで一番見てよかった作品かもしれない。

9/7

一宮の尾西の方を見に行く。

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丹下健三の建築であるらしい会場にあった作品[IC19 迎英里子]。オレンジ色がかわいいね。

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こちらはもちろん塩田千春[IC12b 塩田千春]。のこぎり屋根が分かるように撮ったつもり。塩田千春の作品は森美術館で見た時は(とりわけパフォーマンスについては)いいなと思ったはずだが今回は別にそうでもなかった。

中国SFの映像[IC17 曹斐]はいまいち話に乗り切れず途中で見るのをやめた。SFはある程度設定に粗さがありつつも話の勢いで乗り切っていくものである、とは思うが、うーん、なんだかなぁ。画の作りこみ方はすごいと思った。

9/9

愛知県美術館に行く。アートスペースXのやつ[AC49 縄]はなんか怖い。とりあえず橋[AC21 大泉和文]は渡ってみた。真ん中を歩かないと軋んでちょっと危ない気がした。河原温の電報[AC03 河原温]のコンセプトはすごいっすね。

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「生きのびましょう。」これはたしか[AC11c リタ・ポンセ・デ・レオン]だと思う。違ったかな。正直このドローイングの前の木琴は、東京都現代美術館で見たあそびのじかんの呪いのつみきの方がおもしろかったよなと思ってしまった。比べるべきじゃないかもしれないが。

幻肢についてのカデール・アティア[AC16 カデール・アティア]の映像と、オーストラリアに来たものの受け入れらずマヌス島に収容された難民についてのホダー・アフシャール[AC18 ホダー・アフシャール]の映像はよかった。前者は中途半端にしか見てないが。3年前のあいトリでも難民テーマの映像をいいと思った覚えがあるので、実は私は難民についてちょっとは興味があるのかもしれない。あるいは悲しみや絶望についての語りに惹かれるのかもしれない。

三輪美津子の絵[AC10b]は質量があってよかった。ただし、8階のラーニングスペースというところの最後で「三輪美津子の彫像の絵よかったです」という口コミ(?)を読んだ後で鑑賞してそう思ったので、何も知らずに見たらどう思ったのかはわからない。

またまた展示内容と関係ないが藤田嗣治の猫のポストカードを買った。

9/11

常滑に行く。

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石はいいなと思った。[TK04 服部文祥+石川竜一]
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アスターゲイツの作品[TK05 シアスターゲイツ]、1階はDJがいてよかった。

他はそれほどでもなかったという印象。どこまでも平らな平野育ちには坂道がきつかった。脚力が要る。

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なんとなく登り窯を撮る。

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前にも書いたがタイル貼り付け体験をした。あと、あいち2022の展示内容と関係ないがミュージアムショップでタイルのポストカードを買った。

9/20

有松に行く。竹田家茶室[AR03 ガブリエル・オロスコ]は作品はともかく茶室がかっこいいと思った。狭いロッカールーム(ではなく収蔵室のようだが)で踊る映像[AR04 タニヤ・ルキン・リンクレイター]は悪くなかった。

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作品より台の螺鈿が気になった[AR06 AKI INOMATA]。布のついた枯れ枝を展示するのは微妙な気がしたが、映像とうちわはきれいだった。着物[AR05 ユキ・キハラ]は映像を見たら壮大な作品の一部であり明確にメッセージを込めているということはわかった。

ミッド・ジャイインの良さは正直わからない。縦に切り目を入れて色を付けた布が掛けられて風でピロピロしとるだけやんけと思ってしまう。

有松ってなんもないなと思いながらKONMASAビルというところに寄って見る。2階の展示はかっこいい。早川嘉英の嵐染めというやつらしい。これは見てよかった。3階と4階はなんかやべーとこに来てしまったなと思った。

 

すごい粗雑な感想になったがこれでおわり。これだけ何ヶ所も散らばった会場を見て回るだけでとても大変であった。見る人が見たらもっと感動したり深く読み解いたりできるのでしょうな。興味ある人はぜひ行ってみたらいいんじゃないでしょうか。交通費けっこうするけどね。今年はあいち2022だけじゃなく全国的に何個も芸術祭があるっぽい?けど、疲れたし、まあ当分の間は芸術祭はいいかな……。李禹煥を見たい気がするけど遠い。しょうがないね。巡回しないかなぁ。そんな感じ。